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岸本葉子 著・アスコム
はじめに
エッセイスト・岸本葉子さんがタイトルの通り、
人生を振り返って「自分のことを書いてみたい人」に向けて書かれた一冊です。
しかしながら、自分史を書くつもりがない人にも役立つ内容が詰まっています。
私のように、文章を書くとすぐ「小学生の感想文」になってしまう人。
そんな初心者にとっても、文章の基本的な技術がわかりやすく紹介されていて、とても学びが多い内容です。
そして、文章を書くことで言葉を選ぶ幅が広がり、相手に伝わる表現力が磨かれていく。
それはもちろん、「話す力」にもつながっていきます。
いきなり書こうと思っても書けない
文章を書く時の最初の挫折ポイント、それは「書けない」という壁。
“あるある”ですよね💦
著者は、「書く」ためにはまず「準備」が必要だと教えてくれます。
いきなり書き出そうとするのではなく、
▼ まず「軸」(題材)を決める。
・年代 → 「10代」「20代」など
・物事 →「食べ物」「服」「お金」など
そうすることで、エピソードが思い出されやすくなり、書く準備ができます。
確かに「小学校の頃の出来事を書こう」とすると、何から書けばいいのか手が止まってしまいます。
でも、「小学生のときに好きだった食べ物について書こう」と考えると、駄菓子屋さんのうまい棒が好きだったな。
などと、自然とが思い出が浮かんできます。
メモ: 範囲を狭めると、思い出しやすくなる。
ワンパターンの表現を避けるための工夫
本書の中で特に試してみたいと思ったのが、ワンパターンの表現を避けるための工夫です。
美味しかった、楽しかった、嬉しかった。
気がつけば、形容詞のオンパレードになっていることはよくあります😅
そこで、
形容詞を、①「名詞+動詞」に変える、② 別の人の視点を入れる。
最近の出来事で実際にやってみます!
▼ いつもの私の文章、小学生の感想文風です。
・ランチの行列に並んで、とても暑くてしんどかったです。
▼ ①「名詞+動詞」に変えてみると、
・ランチの行列に並んで、汗がだらだら。Tシャツには汗染みができていました。
▼ ②「別の人の視点を入れる」と、
・ランチの行列に並んだのですが、後ろの人からは、首筋を伝う汗が見えていたかもしれません。
こんな感じでしょうか💦
書き変えた後の方が、実際に暑さを感じるような気もします。
書く気が起きない日の対処法
もうひとつ参考になったのが、「書く気が起きない日」の対処法です。
書けない時の対処法まで書かれているとことが、至れり尽くせり。
結局のところ、どんなときでも「とにかく書く」しかないのですが。
▼ そのためのコツとして、
- 「書くスケジュール」を決める
- ”書く前の儀式”を設定する
たとえば、「掃除をしたら書く」、「好きなお茶を飲んだら書く」など、スイッチとなる行動を決めて習慣化させる。
私も、自分なりの楽しいスイッチを考えて試してみようと思いました。
感想
文章を書く初心者にとって、本書はまさに心強い味方。
書き始めるための準備の仕方、ワンパターンにならない表現の工夫、書き続けるためのコツ。どれも、今すぐ取り入れたくなるヒントが詰まっていました。
これまで私は、引き込まれる文章とそうでない文章の違いが、どこにあるのかよく分かりませんでした。
本書では「人が読みたくなる文章」についても学ぶことができました。
これから文章を書いてみたい方、書いてみたもののしっくりこない方。
そんな方に、ぜひ手に取ってみてほしい一冊です。
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